『インテリジェンス入門』を読んだ
しんゆうさんのこのツイートを見てから、すぐ買って少し読んで、半年くらい放置していました。💦 loading... 数日前に 👇 のツイートを社内の Slack で紹介したら、「インテリジェンス」の定義自体存在しないような、バラバラのような気がしたので、今日気合い入れて一気読みしました。結果的に読むタイミングは、今で良かったかもしれません。 loading... インテリジェンスとは何か ひょっとしたら聞いたことがない人のほうが多いのかしら? 聞いたことがある人も、スパイや諜報などのイメージで、自分とは関係ないと感じる人が多いのかもしれません。 国家レベルでのインテリジェンスの定義は置いといて、企業という現場では以下のような定義になるそうです。特別なものではありません。 P9 インテリジェンスとは、企業が戦略を立案・実行するために必要な知識である。 ビジネス・インテリジェンスと呼ばれるのかな。 社内で共通言語や共通課題を作るために、第1部「インテリジェンスとは何か」と第2部「インテリジェンスの創造と管理」くらいは読み合わせたほうが良いかもしれません。 インテリジェンスの定義は広範囲に及ぶため、私が今所属している会社の場合、関係するのはこの本の定義のごく一部です。 個人的に気になった箇所 P67 逆に言うと、カスタマーの最終的な目標は、特定のインテリジェンスを得ることではない。インテリジェンスを得ることで、判断・行動し、自らの利益を養護・増進することなのである。 インテリジェンスの世界でも「なぜやるのか?」という Issue が必要だと理解した。 P90 以上をまとめると、結局重要なのは、カスタマーと情報サイドの間の距離が「遠い」とか「近い」とかいうことではなくて「情報サイドが、カスタマーの利益を充分に理解しているかどうか」だということになる。 カスタマー(依頼者)と分析者の間には、上下関係はないということ。 P110 「機密情報に頼らなくても、公開情報を丹念に分析すれば、実態の九割は把握できる」といった議論がその例である。 これは懐かしい。昔 SAPIO を定期購読していた時、これを知った記憶。インテリジェンスという概念もその時知った。 P151 米国の CI (Competitive Intelligence) と呼ばれる企業にとってのインテリジェンスの世界では、情報サイドの人間が、戦略や戦術の立案・実行の機会に立ち会うことが奨励されているのだ。 これは分かる。Looker 等でデータ整備する時もそれ以前も、出来るだけチームに飛び込んで、空気感を掴むようにしていた。 P151 このようにあらゆる特定の制作や企業戦略・戦術を相対化出来るほどに、カスタマーの利益を理解できるような人材を育成することが、最も重要なのである。 インテリジェンスの文脈だと目的が「カスタマーの利益を理解するために」になるが、インテリジェンスでなくてもそうだよね。 P152 日本に限ったことではないのだが、インテリジェンスを専門としている人間は、カスタマーに対して、コンプレックスを感じやすい。またカスタマーは、全てがそうではないが、情報サイドに対して高踏的な態度を取りやすい。 なんとなく分かるかな。だからこそ情報サイドの人間は、ある程度の勇気を持ってコミュニケーションすることが重要。プロダクトオーナーとソフトウェア開発者の関係とも似ている。 P217 そこでヘリングは、能動的モードを考案する。つまりCI部門が戦略を策定・執行する者に定期的にインタビューを行い、彼らが適切なリクワイヤメントを自ら発見できるように手助けするのである。これがヘリングのKITプロセスだ。 「質問待ってます」みたいな受動的モードがうまくいかなくて、能動的モードに移行するのよく分かる。インタビューの例は P220 にある。 P230 (二)意思決定への関与 情報サイドは意思決定に関与すべきでないと明言している。 P246 両者の対話の段階に入った瞬間に、「リクワイヤメントの伝達」は「リクワイヤメントの創出」へと変化し「鶏と卵」の問題は回避し得るかに見える。しかしその代償は、図に描かれている通り、インテリジェンスの客観性の低下である。 確かに「インテリジェンスの客観性の低下」は警戒したほうが良い。P249 に解決策あり。