会社で話題になっていたので読みました。
自分の知識は 2019/2/12 のクローズアップ現代 を見て、中国には信用スコアというものがあると知っている程度。
中国(というかアリババ)の「信用スコア」はここ数年で急激に浸透したそうですが、それから中国人のマナーが格段に上がったそうです。元々文化大革命で儒教的な文化や考え方が一度リセットされていたとのこと。
(発展途上国では光ファイバーの整備は遅れたが、それを飛び越えて日本より Wifi が発達した話を思い出しました。)
一方の日本は誰かの目があれば、マナーは良い印象です。ある意味中途半端にマナーが良いので、中国のように浸透する確率は低い気がしました。
信用スコアを使うことで、企業は取引コストや与信の確認に伴うチェックや人件費を減らすことが出来ているそうです。個人でも家を借りるとき等の無駄な確認が要らなくなります。
個人の信用は場面場面で引き継がれないと感じているので、自分は悪い印象はあまり受けませんでした。
平安保険グループの事例は、自分にとっても興味深かったです。
私は以前から売上目標を KPI に掲げるやり方には懐疑的で、プロダクトを良くするための行動を指標にした方が良いと思っていました。それは半分は当たっていたわけですが、答えはこの本の中に書いてありました。
やはり、いかに顧客に寄り添っていられるかが鍵です。SaaS のようなサブスクリプションモデルであっても、売上を第一にしていたのでは、ツール販売とあまり変わらず競合に顧客を奪われやすい気はしました。
ちょっと前に『Netflix「ライバルはフォートナイト。すでに負けている」と発言。TV画面の奪い合い激化 』が話題になりましたが、根底は同じだと思います。
自分の中でいろいろ繋がった本でした。
一方で、日本全体が取り残されずに済むことはもう無理だと感じた一冊でもありました。
それぞれの企業や個人がそうならないように対策するしかないと思いますが、日本は電子マネーに代表されるように変なところで多様性があるので、日本全体が「ビフォーデジタル」から脱するのは長い時間を要すると思います。