実行力 結果を出す「仕組み」の作りかた amazon.co.jp

職場の同僚氏がオススメしていたので、少し前に読んだ。

私は小さなグループでリーダーシップを発揮した経験はあるが、さすがに何万人もの組織での経験はないため、なかなか興味深かった。反対陣営の筆頭を側近にして、エッジの効いた政策をより良いものに落とし込むエピソードは、なかなか出来るものではない。そもそも会社だとそこまで敵対関係になることはあり得ないし。

他に、比較優位の思考は即仕事で使えるというか、会社でしれっと紹介した。

例えばなにか承認を得ようとする場合、当事者はいかにその案が良いかを説いたり、もしくは案を出すだけで判断を丸投げしたりする。承認者からするとなんとか協力はしたいものの、材料が少なくすぐに判断できない。そもそも他にいくつも承認を求められている。結果として承認が進まないことになりがち。

例えばA案とB案を持っていき、それぞれこのような比較優位性がある、私はこのような理由でこちらを推したいなどと伝えれば、スムーズに行く確率が上がるという話。

本の中では最善と考える案、その対極の案、中間のマイルドな案の3つを出して欲しいとあった。これは組織で働く上で非常に重要な考え方で、仕事が出来る/出来ないにも関わってくる。想像力が非常に重要。最初は難しいが、経験を重ねるとだんだん身に付くと思う。

他にも、先の先まで想像しながら、先手、先手を打っていかなければならないという下りは、ソフトウェア開発における新規機能のリリースや、サーバーの深夜作業などにも当てはまる。

以前の私は、出来ることを全部やってから深夜作業に望むという考えが足りなかった。いろいろ痛い目に合ったおかげで、今は「出来ることは全部やってそれでもダメだったら、仕方がない(今のスキルの上限)。」という考えに変わった。

橋本さんは好き嫌いが分かれやすい人だと思う。彼に限らずそのパーソナリティが好きでなかったとしても、その考え方は別にするべきで、有用であれば参考にすると良いと思う。